イタリア語の発音「gli」は、日本語にない特徴的で難しい発音の一つです。
私も、正確に発音できません。
出版社GIUNTIopen_in_newから出版されている「Manuale di dizione e pronuncia」という音声CD付の本によると、多くの人は、この「gli」改め「gl」グループ+「i」の発音が正確にできないようです。
さて、具体的にどーなんだ!?ってことで、解決策はあるのか? 見ていきましょう。
イタリア語の発音 gli
イタリア語の発音「gli」は、IPA発音記号で /ʎ/ と表します。
東京外国語大学のIPA国際音声字母(記号)サイトの説明によると
引用元: 東京外国語大学 IPA国際音声字母(記号)open_in_new
有声・硬口蓋・側面接近音 Voiced palatal lateral approximant (1)声帯振動あり→有声音
(2)前舌面と硬口蓋→硬口蓋音
(3)真ん中には閉鎖があり、隙間は脇にある→側面的
(4)脇の隙間をせばめるが、その度合いは摩擦音を生じるほどではない→接近音
(5)上がって鼻腔への通路を閉鎖→口音
と、ちょっと専門用語が満載で分かりづらいですね。。汗
要するに、有声子音で、舌を上あご(硬口蓋)にあてる感じだけど、口の中は舌で塞がれて、口の両端は隙間があり鼻に抜けない音、、、文章に言い換えても難しいですね。
とりあえず、音声ファイルで確認しよう。
「gli」の前後に母音があると二重の発音
定冠詞や代名詞の「gli」以外で、基本的にイタリア語の「gli 」がつく単語は、母音にはさまれていることが多いです。
ただし、
母音 + gli + a, e, o, u
「gli」の後ろには母音「i」は存在しないようです。
例えば、coniglio(うさぎ)の複数形は、conigli となり、coniglii とはならないです。
発音で注意したいところは、母音が前後にあるので、二重に発音します。
↓では、音声ファイルで発音を確認してみましょう。
↓ちなみに、複数形も聞いてみよう。
日本語で無理やり書くと、「こにり゛ぃぃお」「こにり゛ぃぃ」って感じですか?(無理やりすぎ、汗)
「gli」の発音の解決策は?
実は、冒頭でもお伝えしましたが、いつもお世話になっている「Manuale di dizione e pronuncia」によると、大多数の人は、この「gli」の発音ができていないんだそうです。
そして、この本によると、「gl」の部分を二重子音のL、つまり、「ll」で発音すると、驚くほど正しい音になるんだそうです。
gl を ll で発音すると…
試しに、音声ファイルで確認してみましょう。
まずは、元のconiglio の発音を再度きいてみましょう。
次に、二重子音Lに変えたパターンでは?
いや、本当にびっくりするけど、マジで全然同じに聞こえるじゃん!
念のため、音声ファイルにconiglio と conillio を続けて言ってもらいます。
ほぼ、同じですよね!
ほかの単語ではどうでしょうか。南イタリアにある「プーリヤ、なんて素晴らしいんでしょう!」ってイタリア語で言ってもらいます。
次は、glをllに変えて言ってもらいます。
ちょっと、違うけど、まぁまぁほぼ同じ。
状況次第で…
ちなみに、北イタリアの多くの地域では、このgliの発音を/ll/、中南部の多くの地域では/j/と発音するようです。
最後に
イタリア語のgliの発音ができない場合は、二重子音Lで発音してもあり!
二重子音については、以下の記事で簡単に説明しています。