イタリア語の早口言葉 人称代名詞の後の動詞が母音だと省略されるって!?

training_image

早口言葉は、似たような言葉を早く言う言葉遊びでもあるけれど、発音、発声、滑舌などのトレーニングとしても使われています。

早口言葉をうまく言うコツで、フリーアナウンサーの方の動画を拝見したら、早口言葉をトレーニングとして使うのであれば、やはり、早く言おうとせず、ゆっくり言うのがいいようです。

私がやっている「イタリア語の早口言葉で発音練習」は、完全に自主トレなので、音節を区切って、ゆっくりやりたいと思います。

ところで、イタリア語の人称代名詞 lo, la, mi, ti, ci, si, vi, ne ですが、そのあとに続く動詞の先頭が母音の場合、人称代名詞の語尾の母音が「’」アポストロフィに代わって省略される場合があることを知りました。

このことをイタリア語の文法用語で「elisione」というのですが、以下の記事でまとめました。

イタリア語の早口言葉: 屋根を塗り直したけど、仕方がわかない

さて、今回のイタリア語の早口言葉は、

Tito, tu m’hai ritinto il tetto, ma non t’intendi tanto di tetti ritinti.

和訳すると

ティト、君、私の屋根を塗り直したけど、屋根の塗り直しをよく知らないね。

って感じでしょうか。

単語の説明を簡単にします。

Tito: 固有名詞、人の名前

tu: 2人称代名詞、君、ここでは、Titoを指しています

m’hai ritinto (mi hai ritinto): mi: 私の(1人称目的語代名詞), hai ritinto: 動詞原形 ritingere 塗り直す、直接法近過去形2人称単数

il tetto: 男性名詞、屋根(il: 男性定冠詞)

ma: 接続詞、しかし、(強意)実に

non: 副詞(動詞の否定)~ない、~しない

t’intendi (ti intendi): ti: 君に(2人称目的語代名詞) , intendi: 動詞原形 intendere わかる、理解する、直接法現在形2人称単数

tanto: 形容詞、たくさんの

di: 前置詞、~の、ここでは、後に続く名詞の内容について指している

tetti: 男性名詞、tetto の複数形

ritinti: 動詞原形 ritingereの過去分詞 ritinto ここでいう過去分詞は、形容詞のように「塗り直した」と使い、複数の屋根のことを指しているから、語尾は男性形で複数形

※ m’hai ritinto や t’intendi の「’」アポストロフィは、母音が重なる時に使います。

※ イタリア語では、「H」は発音しない。

音節を区切って言ってみよう!

単語の意味が分かったところで、さっそく、音節を区切って言ってみたいと思います。

Tito, tu m’hai ritinto il tetto, ma non t’intendi tanto di tetti ritinti.

本来は

Tì-to | , | tù | mi | hai | ri-tin-to | il | tét-to | , | ma | nón | ti | in-ten-di | tàn-to | di | tét-ti | ri-tin-ti | .

だけど、「m’hai ritinto」と「 t’intendi」の「’」アポストロフィがあるので

Tì-to | , | tù | mhai | ri-tin-to | il | tét-to | , | ma | nón | tin-ten-di | tàn-to | di | tét-ti | ri-tin-ti | .

でしょうか。

※母音にアクセントがついてるのは、開口音の場合(左斜め)と、閉口音の場合(右斜め)です。

最後に

早口言葉を早口で言うよりも、音節を区切ってやった方がよいかもね、

Foto di Mohamed Hassan da Pixabay

上部へスクロール