イタリア語の子音「S」は、無声と有声の2つの発音があります。日本語で調味料の「味噌」や、歴史上の人物の「政宗」をイタリア語発音で聞いた時、「mizo」「mazamune」と発音していて、違うんだけど!と、ずっと思っていました。ですが、どうやらイタリア語発音にルールがあったようです。
イタリア語の子音「S」
イタリア語の「S」は、IPA記号でいうと無声子音の/s/と有声子音の/z/の2つの発音があるようです。
無声子音の/s/
/s/は、soleのsなんだけど、無声子音というのは、声帯が振動しない音。
子音Sが無声子音/s/の場合、具体的には?
単語の綴りによって4つのパターンがあります。
1.単語の最初にあって、そのあとに母音が続く場合
例)sole, sala, Sicilia, sereno, suono
2.子音と母音の間にある時
例)borsa, falso, insieme
3.子音Sが重なるとき
例)rosso, lusso, cassa
4.無声子音/k, f. p. t/が、続くとき
例)stanco, pasta, scuola, sfida, spugna
4つのパターンを見てきたけど、これは比較的簡単ですよね。
ナポリなどカンパニア州の多くの地域では、/s/発音じゃない?
イタリア語の発音は、地域でイントネーションが異なるようです。カンパニア州の多くの地域では、発音/s/が子音の前にある場合、発音/ʃ/になるんだそうです。
イタリアのテレビ番組や映画や、ナポリ出身の方々のYouTubeチャンネルを見ていると、ああ、そういえば、確かに聞こえる。カタカナで表現すると例えば「ス」が「シュ」のような感じに聞こえるね。
こちらの記事も、併せてご確認ください。
有声子音の/z/
/z/は、casaのsで、有声子音は、声帯が振動する音です。
ちなみにcasaは、日本の住宅系雑誌などでは、「カーサ」と表現しているけれど、イタリア語発音は、カーサではない。
この件に関して、私は、イタリア語を習い始めたときに、casaはカーザと聞いて覚えたのだけれど、どうして濁るのかってところは、覚えた当時はあんまり関心を持っていなかった。というか、気に留めてなかった。
では、具体的にどんな綴りの場合に濁るのか。
子音Sが有声子音/z/の場合は?
2つパターンがあります。
1.有声子音/b, d, g, l, m, n, r, v/が、続くとき
例)sbagliato, sdraiato, sguardo, slitta, trasmissione, snack, sradicato, sveglia
例で挙げた中に英語外来語「snack」があるけれど、「snack」は、日本語カタカナ表記で言うところ「スナック」なんだけど、イタリア語発音をカタカナ表記にすると「ズナック」と濁ります。
だから、英語「small」は、イタリア語の発音を(無理やり)カタカナで表現すると「スモール」じゃなくて「ズモール」と濁るんだってちょっと納得した。笑。
2.2つの母音の間にある時
例)casa, isola, uso, pesante, cosa
2つの母音に挟まれているSは、濁ります。
私は、pesanteを未だに「ペサンテ」と言ってしまう。。覚えた当時に、子音Sが、母音の間にある時は濁るということを知らなかったので、間違った習慣になってしまった。。
中部、南部イタリアでは、母音の間のSは濁らない?
実際にどうなのかは、北イタリアに住んでいる私にはわからないけど、参考書によると、中部や南部のたくさんの地域では、2つの母音の間にある子音Sは濁らないんだそうです。
だから、casaは、標準語は/ka:za/だけど、/ka:sa/って発音するんですかね?
中部、南部地方の方言ってことで捉えていいのかな?
と思って、イタリア語のアクセントについて、何かいいエピソード教材はないかと探してみました。
プーリア出身で、外国人向けイタリア語教師をされているステファノさんのpodcastのエピソード「Gli accenti italiani」を聞くと、後半のほうで、「cosa」のアクセントについて語っています。
このエピソード、母音の開口音と閉口音についても話しています。
聞いていると、確かにプーリアのアクセントでは、母音の間にあるSは、濁ってなかった。
ちなみに、イタリア語のアクセントは地域によって異なり、どの地域が標準に近いかっていうのはないんだそうです。
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最後に
イタリア語の子音Sは、南イタリアでは独特なアクセントがあるようですね。また、イタリア語の標準アクセントはないと考えてみると、気張ってやらなくてもいい気がしてきた。汗。